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2010年 04月 08日
『夜の童話』の題名があるように、もうこれは漫画ではなく童話である。
1本目の「家路」。定年を迎えた一人のおじいさんのお話である。子もなく妻には先立たれ、猫とのんびり暮らし、絵本を書いている生活である。 読後感は本当に幸せいっぱいなんだけど、正直何と感想を書いていいかわからない。ただ、ひと言書くとするならば、「自分の心にスッと入っていく」作品である。うん、自分でもよく意味が分からない。 そして、一番のお気に入りの「春を待つ家」。外を徘徊しながら自由奔放に振舞う絵本作家の父を持つ兄弟のお話である。その愉快な父に振り回されながらも、兄弟も父が大好きで幸せいっぱいの家族。しかし、母が亡くなっている等同時に悲しみを抱えている部分をきっちり描いている。 本書の中では、父をテーマに「幸せ」や「場所」についてふれる部分がある。結局、このお話の中では答えは出さず、読み手に託されている。彼らの「春を待つ家」、読み手の「春の待つ家」。答えは誰にも決められない。これは、童話と言うより漫画に近いのかも。 ほかのお話も、上記に挙げた作品同様素晴らしい。幸せいっぱいの作品集である。 それと、驚くべきことはこれらが全て商業誌ではなく同人誌で描かれていた事。しかも、10年以上前に。そして、今になっても商業誌として再販され、読まれ続けられる。これは凄いことだ。 最近、商業ベースで発売された作品よりも商業ベースにのらない同人誌の方が、作者の持つテーマやメッセージが強く現れていて、自分には心地いい。構成とかそういうのよりも、作者の持つ「粗さ」が自分の心に引っかかるのだろうね。
by sakura_heights
| 2010-04-08 22:04
| 紺野キタ
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